省エネ住宅の代名詞として知られる「ZEH(ゼッチ)」。2025年9月、経済産業省はZEHをさらに進化させた新たな定義「GX ZEH(ジーエックス・ゼッチ)」を公表しました。
現行のZEH認定は2028年3月まで新規取得が可能ですが、2028年4月以降はGX ZEHへと完全に移行する予定です。
ZEH補助金を利用して家づくりを検討している方は、制度移行前と移行後、どちらの基準で家を建てるかによって、求められる省エネ性能が大きく違ってきます。
何がどう変わるのか、しっかり整理しておきましょう!
【GX ZEHとは?】

2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、従来のZEHをさらに高度化した住宅の新たな基準です。「GX」は化石燃料から太陽光などのクリーンエネルギーへ社会全体を転換する「グリーントランスフォーメーション」の略称。
従来のZEHを踏襲しつつ、さらに高い省エネ性能を認定基準とすることで「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギー等を導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロとすることを目指す」住宅です。
【現行ZEHとの主な違い】
現行ZEHとGX ZEHの大きな違いは「外皮性能の引き上げ」と「蓄電池・エネルギーマネジメントシステムの必須化」の2点です。
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比較項目 |
現行ZEH |
GX ZEH(2028年4月〜) |
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外皮性能(断熱等級) |
断熱等性能等級5 |
断熱等性能等級6 |
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一次エネ削減(再エネ除く) |
20%以上 |
35%以上 |
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再生可能エネルギー |
導入(必須) |
導入(必須) |
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一次エネ総削減(再エネ含む) |
100%以上 |
100%以上 |
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家庭用蓄電池 |
任意 |
必須(Oriented除く) |
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HEMS |
任意 |
必須 |
【GX ZEHシリーズの全体像】
GX ZEHは、性能レベルに応じた4段階のグレードで構成されています。
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種別 |
一次エネ削減(再エネ除く) |
再エネ加算後の削減率 |
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GX ZEH+ |
35%以上 |
115%以上 |
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GX ZEH |
35%以上 |
100%以上115%未満 |
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Nearly GX ZEH |
35%以上 |
75%以上100%未満 |
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GX ZEH Oriented |
35%以上 |
再エネ導入なし(※多雪・狭小地限定) |
※「GX ZEH Oriented」は、垂直積雪量100cm以上の多雪地域、または北側斜線制限の対象となる用途地域で敷地面積85㎡未満の都市部狭小地に建築される住宅に限り認定される区分です。太陽光パネルの設置が難しい場合でも認定取得の道が開かれています。
なお、すべての種別において外皮性能は断熱等性能等級6が必須です。
【必須要件のポイント】
GX ZEH(GX ZEH Orientedを除く)では、以下の2つの設備が新たに必須要件となります。
⚫︎高度エネルギーマネジメント(HEMS)
再生可能エネルギーの発電量等を把握した上で、住宅内の冷暖房設備・給湯設備等を制御できること、また蓄電池の充放電を制御できることが求められます。
⚫︎定置用蓄電池
HEMSと連携して充放電を制御できる蓄電池の設置が必須となります。再生可能エネルギーを発電時間以外にも活用できるようにすることで、住戸単位のエネルギー自給率向上が図られます。
POINT 敷地内に駐車スペースがある住宅では、EV充電設備(V2H含む)の導入検討に必要な情報を建築士から建築主へ説明することが推奨事項として求められます(現時点では義務ではなく推奨)。
【移行スケジュールを確認しよう】
現行ZEHからGX ZEHへの移行には約1年間の並行期間が設けられています。
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時期 |
内容 |
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2027年4月〜 |
GX ZEHシリーズの新規申請受付が開始 |
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〜2028年3月 |
現行ZEHの新規取得が可能(並行期間) |
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2028年4月〜 |
現行ZEHの新規取得は不可。GX ZEHへ完全移行 |
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2028年4月以降も |
既に取得済みの現行ZEH認定は引き続き使用可能 |
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2028年3月までに 建設の住宅を改修 |
2028年4月以降も現行ZEH定義での新規取得が可能 |
【山形で家を建てるときのポイント】
山形県内の多くの地域は「多雪地域(垂直積雪量100cm以上)」に該当します。そのため、屋根形状や積雪の影響で太陽光パネルの設置が難しい場合でも、「GX ZEH Oriented」として認定を取得できる可能性があります。
また山形県内の省エネ地域区分は3地域または4地域であり、GX ZEHが必須とする「断熱等性能等級6」の基準を満たすには、UA値0.28以下の性能が必要です。
住宅の仕様によっては付加断熱にする必要があり、断熱仕様の変更費用が発生する場合があります。
ZEH基準の見直しに省エネ補助金・補助制度は、GX ZEHへの対応を前提とした設計へ移行する見通しです。
2028年4月の制度移行を見据えつつ、早めに家づくりをご検討されることをお勧めします。
※2026年7月現在の情報です。


